大アルカナ「地(知)の物語」1~7

日本昔話タロットでは大アルカナを3部作の流れに分けています。

そのはじめとなる「地」の物語。

「地」は「知」との両方の意味を含んでいます。

「地」は宿命。

当事者がその地で生まれる事により、変えようのない縁を意味します。

そして、生きて行く中で、「何かにときめく瞬間」、「好きになる瞬間」があります。

一番の「一寸法師(魔術師)」は正にその「奇跡のような瞬き」を表すカードです。

そして、知りたいと願い、近づき結ばれる。

 

子供が色んなものに興味を抱き、学んでいくような、

天真爛漫な流れが「知のステージ」です。


1「魔術師」 THE MAGICIAN 一寸法師

 

大アルカナの第一番目のカードで英語で「MAGICIAN」と書かれています。

日本に起承転結という言葉があるように、
このマジシャンはまさしく起。
「起きる」、「起こる」など
物の始まりを表すカードです。

 

 日本昔話タロットではこの「魔術師」に

「一寸法師」を採用しています。

 

一寸法師の頭上には打出の小槌が描かれており、

「魔術師」の掲げる魔法の杖をイメージしております。

「一寸法師」は僅か一寸、3センチしかない少年が主人公。

少年は自分の小ささなどまったく悲観せず、

むしろ誰よりも大きな夢に向かって自信満々に生きています。

そうして京の都に向かい、

一目惚れした長者の娘を嫁にしようと決心します。

 

物事には 始まりがありますが、

私たちの場合、まず、何かを思い、

そしてそれに向かって行動を起こす。

それがうまくいくのか失敗するのか、

失敗しても諦めずにまたチャレンジするのか、、、。

 

大事なのは「起」なのです。

 

画中のたんぽぽの真綿のようなふわふわの種。

たんぽぽの子供たちは風に乗って旅立ちます。

何処に降り立つのか、どんなドラマが待っているのか。

桜は日本人にとって、新しい生活や環境の始まりをイメージ。


2「女教皇」 THE HIGH PRIESTESS 乙姫(浦島太郎)

大アルカナの第2番目のカードで英語で

 

「THE HIGH PRIESTESS」と書かれています。

2には二つに分かれるという意味があります。
光と影。
男と女。

 

 日本昔話タロットではこの「女教皇」に

「浦島太郎」に登場する「乙姫」を採用しています。

 

乙姫が「陰」と「陽」の二つの柱の間に立ち、

玉手箱を差し出しています。

奥には竜宮城が見えています。

 

 

ライダータロット「女教皇」

 

ライダータロットの女教皇ですが、

この時代に女性がこの地位に就くことはなく、

タロットの世界だけで作られた人物とされています。

 

闇と光の柱の前、

椅子に腰を掛け、手には「TORA」

奥には禁断の実「ザクロ」

 

「ザクロ」には諸説があります。

種が多いことから子孫繁栄の象徴であったり、

婚姻、優雅とか、

日本では人肉に味が似ているなど不気味な言い伝えも、、、

 

いずれにしても覚悟が問われているような絵柄です。

 

 

マルセイユタロット 「女教皇」

 

 

 

マルセイユタロットの「女教皇」は正面をにらみつけておらず、

少し優しい感じです。

 

ライダータロットのように「TORA」か秘伝かはわかりませんが、

本を読み聞かせている絵柄です。

向きは斜めで視線は左を向いています。

 

このカードには「知識」というテーマだけが強く印象に残ります。

 

 

 

さて、日本昔話タロットの「女教皇」「乙姫」の話に戻ります。

 

助けたカメに連れられて浦島太郎は竜宮城に参ります。

そして、豪勢な食事や踊りを楽しみます。

あまりの楽しさにあっという間に三年間が過ぎます。

両親のことを思い出し、心配で家に帰ると浦島は言います。

乙姫は浦島太郎に玉手箱を渡し別れます。

 

浦島太郎が帰ると家はありません。

何と700年もの時が経っており、誰も浦島太郎の事を知らないのです。

 

太郎は乙姫からもらった「玉手箱」を思い出し開けてみます。

すると、煙が出てきてお爺さんになってしまうのです。

ここでジ・エンドの場合もありますが、

このまま太郎は力尽き、鶴となって蓬莱山に向かい、

亀の乙姫と夫婦になるエンディングもあります。

 

という事は、浦島太郎は何も最後に玉手箱を貰うなど、

ややこしいことをせず、はじめから乙姫と結婚を前提に竜宮城に入るべきだったのです。

 

 

物語では竜宮城に行って、その後に玉手箱を貰うのですが、

日本昔話タロットカードではその前に「玉手箱」を差し出されています。

 

本来、二つのものから一つを選ぶとき、相当な覚悟が必要です。

    


3「女帝」 THE EMPRESS 「観音様」

 

 

「女帝」

大アルカナの第3番目のカードで英語で「THE EMPRESS」と書かれています。
 
女帝とは言っても、カードの意味は豊穣や実り、結合、優しさなど
柔らかい雰囲気に包まれています。
 
日本昔話タロットではこの女帝に観音様が採用されています。

 

 

 

 

ライダータロット「女帝」

 

ライダータロットの女帝ですが、

 

着ている服には子孫繁栄を意味するザクロが描かれています。
また、椅子には女性を表わす記号。
手前にはたわわに実った麦、
奥も豊かな森があり
ひと目で豊かさが伝わってきます。

マルセイユタロット 「女帝」

 

マルセイユタロットの女帝は豊穣や豊かさというよりは

 

女帝らしく強さを感じるカードです。

 

右手に抱いた鷲のマークのエンブレムには
次の権力者を産み出す能力を表わし、
やはり実りを表現しています。

さて、日本昔話タロットの女帝、観音様についてです。

観音様はみんなを優しく見守る存在。
母のように大きな愛を感じます。
また、女性が観音様の夢を見るとそれは赤ちゃんを授かる予知夢などとも言われ、女帝のイメージにピッタリです。
観音様は困った人を直接助けるような事はしません、
温かく見守り、困った人が自力で這い上がってくるのを我慢強く応援します。
すぐに助けたくなるものですが、
助けず見守ることも中々容易ではありません。
そんな、心の強さを感じる
大いなる大地、
地球のようなカードです。

4 皇帝 EMPIROE お殿様

皇帝

 

大アルカナの4番のカードで、人間界の最高の権力者を表しています。

 

壁面には「四神獣」の飾り。

これはキトラ古墳などで有名な

古い天文図、暦を表します。

地理風水、自然界をも味方に付けるという象徴です。

 

奥の伝家の宝刀は彼の決断力の強さを表しています。

まなざしは恐ろしいほど強く、

これと決めたら揺るぎない意思の持つ主だということが分かります。

戦国時代の「鬼武将」柴田勝家をモデルにしています。

 

こちらはウエイト版
ライダータロットの「皇帝」です。」

 

大アルカナの4番のカードで、人間界の最高の権力者を表しています。

 

石製のチェアーは彼の地位が不動であることを物語っています。

また、ひじ掛けと背もたれの両サイドに牡羊座を表す

「立派な角の羊」があることが、

彼が男性的でワンマンで、一直線であることを示しています。

 

右手に持つ十字架は彼がこの地で

「神に近い」存在であることを表しています。

 

 

こちらの「皇帝」はマルセイユ版

 

上記のギリシャ数字の「Ⅳ」があるにも関わらず、

重複するように「4」の数字が描かれています。

 

これは彼が四季や、占星術でおなじみの「四代元素」、「方位」などを

味方につけていることを表しています。

 

また、古くは天体の4番目であると考えられていた

太陽系惑星最大の「ジュピター(木星)」を表していると言われています。

 

彼の足元にある「鷲」の描かれた盾。

鷲は「神に近い存在」とされ、

彼が人間界の頂点であることと同時に神のような存在であることを示しています。 

 

さて、このカードが示すメッセージは、

「決断力」

「迷っているなら前に出よ!」

しかも、決断後も惑わず行きなさい!

失敗を人のせいにしない「リーダーシップ」も同時に伝えてくれています。


5 法王 THE HIEROPHANT お地蔵様

法王

 

大アルカナの5番のカードで、英語で「HIEROPHANT」と書かれています。

HIEROPHANTとは、法王の他に、教皇、司祭とやばれることもあります。

一つ前の「皇帝」が権力に対する頂点なのに対し、

法王は精神的、宗教上での頂点の存在です。

  

日本昔話タロットでは、

この「法王」に「お地蔵様」が採用されています。

 

お地蔵様の前にお供え物をして、
静かに拝む二人の姿が描かれております。

 

 

 

ウエイト版 法王

 

ウエイト版 ライダータロットは色で様々なことを表しているので、
赤い服は自信と力あふれる法王、教皇、司祭を表している。

 

中央の十字架は3つ描かれており、「三位一体」を表すとも言われているが、

この「三位一体」には諸説ある。
解釈の違いがあるので一概には言えないが、

この「三位一体」については日本昔話タロットも引き継がれている。

 

下方に見える信者はよく似ているが微妙に服の柄が違う。

これは、法、宗教のもとでは人種の違いなどで人を分け隔てしないところが表されている。 

 

この構図は「悪魔」のカードの構図に似ており、共通性がありとても興味深いカードです。

完全に思える法も、誤った解釈によっては悪魔に利用されたり、

人を悪魔の手下にする危険性を訴えているようにも見えます。

マルセイユ版 法王

 

ライダー版と比べて、大きな大きな違いは法王が少し横を向いている点。

タロットカードは一枚で占うことは少なく、

複数枚のカードを出すことが多いですね。

 

その時に各カードの隣や近くに

「何のカードがあるのか?」ということが、

実は非常に重要になることがあります。

 

マルセイユ版の目線がしっかり右に向いています。

 

法に守られるのは何のカードで、

逆にそっぽを向かれるのは何のカードでしょうか?

 

日本昔話タロット「お地蔵様」のお話です。

 

「お地蔵様」は地蔵菩薩といって、

菩薩の中の一つの姿です。

菩薩とは、あらゆる人を助けることができる尊い魂。

人に施すことを「布施」といいます。

 

布施には3つあり、

○物や金銭→物施

○安心を教える→安心施

○仕組みを教える→法施

この3つを適材適所与えられる存在が菩薩。

その菩薩の姿の中で、私たちのすぐ近くで見守ってくれているのが地蔵菩薩なのです。

 

地蔵菩薩は日本では「閻魔大王」と同一視されているので、

善人には穏やかな「お地蔵様」

悪人は厳しい「閻魔大王」なのですね。

日本昔話タロットでは、

このあと、その「閻魔大王」が「正義」のカードに登場します。

 


6 恋人たち LOVER 七夕伝説

『恋人たち』のカードは
織姫と彦星で有名な「七夕伝説」で表されています。
恋人たちのカードには、相思相愛、
そして、それらが結び付くという意味があります。
恋は盲目の言葉があるように、脆さも同居します。
七夕伝説の愛し合う二人は、
もともと機織りと畑仕事に励む男女が互いに惹かれあい、一緒になるわけですが、
あまりに一緒にいたいが為に、ついには働かなくなってしまいます。
そして、二人は神の怒りを買い、ついには引き裂かれてしまうのです。
年に一度会えるのが七月七日の七夕の日となりました。
恋愛にとっては、とても理想的なカードに見えますが、
盲目的になって、現実逃避にならぬよう、
しっかり愛を育てるように引き締めることも大事と
教えてくれているのかも知れません。
ライダータロットの恋人たち、、、、
こちらは男女が結びついた、
文字通り、恋人同士が描かれています。
優しく明るい絵柄ですが、全裸の男女は正に無防備。
見つめ合う二人は至極の時を迎え、互いを見つめ合ってます。
旧誓約書の「アダムとイヴ」がモチーフと言われていますが、
やはり彼らもこの後、
神に食べてはならないと言われていた「禁断の果実」を食べてしまい、
それまでの天国のような生活から、
生きる苦しさを味わう事になります。
絵と印象とは違って、厳しい事への備え、
一時的な快楽にうつつを抜かしてはいけないという
メッセージが込められています。
マルセイユタロットの恋人たちは
ガラッと変わって、
中央に男性が立ち、左右にそれぞれ女性がいる構図となっている。
上空に、今にも矢を放たんとしているのは「キューピット」であろう。
二人の女性は互いに譲らず、
中央の男性もうつろな目をし、
決定する強い意思は感じられない。
明確な理由がないまま、
この後矢を放たれた男性はどちらかと恋愛関係になるのだろう。
しかし、心変わりのもろさ、危険性が含まれており、
やはり今後の持続や安心をもたらすようなカードでない事が感じ取れる。

恋人たちのカードは、

1から始まり、6番目の相思相愛、結びつきを表すカードです。

相思相愛というのは、比較的楽に手に入った事を意味します。

 

人間は同じ手に入れるにしても、

簡単に、

早くに、

苦労せずに、

手に入れてしまった物は、すぐ手放してしまう、という傾向にあります。

それが物であっても、地位や名誉であっても、

人であっても、この危険性があります。

 

「手にした瞬間に飽きる経験。」「突然冷めてしまう事。」ないでしょうか?

 

欲しいと思ってる瞬間、

旅行に行く前の日、興奮して眠れない高揚感。

 

しかし、いざその瞬間を迎えると、

楽しみだった感情は別の所にいってしまう。

 

人の心の流れは分からないモノです。

そんな感情に気付き、もう一度、相思相愛をかみしめ、

目の前の人の気持ちを考える。

そして、大事にする。

 

そんなメッセージが込められたカードです。

 


7 戦車 CHARIOT 分福茶釜

戦車のカードは日本昔話タロットでは「分福茶釜」で表されています。

 

分福茶釜と言えば、山で罠に掛かったタヌキが、男に助けられ、

その後、男のもとへ恩返しをするという物語。

助けられた動物が恩返しにやって来るという物語は、

結構多く存在するが、この物語は異色である。

まず、タヌキが茶釜に変身し、男と一緒に稼ぐわけですが、

本性がバレても決して山には帰らないのである。

むしろ、何とか男に恩を返す事はできないかと、ポジティブに考え、

また、返してもらう男も何もしないわけでなく、

一緒に協力して稼ぐのだ。

最後には見世物小屋として、大好評となるわけである。

ふとした縁から固い絆で結ばれ、大きな仕事を成し遂げるという、

勝利、援軍、協力、積極的、ポジティブなど、

まさに戦車のメッセージを持つ物語である。

ウエイト版の戦車

 

こちらは一人の若者を乗せた戦いの戦車を二頭のスフィンクスが引っ張る。

6番のカードの恋人たちのその後の姿を表すため、

黒と白の男女のスフィンクスとなっている。

二人の息がピッタリの為、戦車には水星、エルメスのシンボルが描かれ、

凄まじいスピードで走れることが分かる。

また、赤いコマは無敵であることの象徴だ。

 

このように、「恋人たち」の相思相愛が、

上手に協力関係を築くと、大仕事をやってのける「戦車」となるのだ。

 

世の中のほとんどのモノが、男女の結びつきで生まれることを考えると、

恨みあったり、ひがみあったりすることが大変愚かだということが分かる。

出来れば力はポジティブな方向に活かしたいものだ。

マルセイユタロットの戦車

 

こちらはウエイト版のように「恋人たち」のカードからの流れは見られず、

二頭の馬となっている。

 

目の前には植物が生い茂り、

これらを踏みつぶして突き進むであろう姿は、

やはり強力な突進力を意味する。

戦車に乗る男の冠の帯は真っ赤な色をし、

決意と意思を感じることが出来る。

 

いずれにしても、

このカードには凄まじい勢いを感じるメッセージが込められていることを感じます。

戦車のカードが示す大事な事は、まず協力関係。

どのカードにも共通する大きな点は、力を合わせて行動しているという事だ。

 

人生で、本当の友や、添い遂げる伴侶、壮大な仕事の協力関係の人と出会えたなら、

それだけでも人生の成功者と言えるだろう。

 

例えば、世界的に活躍する偉大なミュージシャンを考えてみても、

必ず彼、もしくは彼女の才能をスパークさせたパートナーが存在し、

その付き合いは一生続いたりする。

マッチに火をつけるには、

マッチ棒と箱にある測薬が反応して、初めて火が付く。

 

人間も一人の力では限界があり、

スパークするには誰かと絶妙のコンビネーションが必要だろう。

「戦車」はそれを教えてくれる素晴らしいメッセージカードである。